軽い不安、重い不安
軽い場合は認知行動療法中心で
社会不安障害は、非全般性社会不安障害と全般性社会不安障害の2つに分けられます。
非全般性社会不安障害は、特定の場面、たとえば人前で話したり人前で文字を書いたりするなど、または2つか3つの社会的な状況で、強い不安や恐怖を感じたり、その結果そうした状況をさけようとしたりして、社会生活に支障をきたしている状態をいいます。
全般性社会不安障害の患者さんは、ほとんどすべての状況で著しい不安を感じるようになります。
非全般性社会不安障害の人に対しては、薬による治療よりも認知行動療法などの方法を中心にする場合が多くあります。
ただそのようなときでも、不安症状を抑えるために、抗不安薬やβブロッカーなどを頓服薬として使用することがあります。
また非全般性不安障害でも、患者さんによってはSSRIが効果的な場合もありますので、主治医と相談しながら自分に合った薬を見つけることが大切です。
重いケースは薬をプラスして
より症状が重く、さまざまな場面で不安を感じてしまう全般性社会不安障害の人には、SSRIなどを使った薬物療法と精神療法が基本的な治療方針になります。
実際の治療では、SSRIなどの薬物の使用を中心とした治療を進めることが多いのが現状ですが、薬物療法だけで対処した場合、いったん改善しても、再発することがすくなくないといわれています。
その為、患者さんの実状に合わせて、認知行動療法などを適切に併用して治療を進めていくことが望ましいと考えられます。
参考文献:不安症を治す 大野裕著