Q.私はすぐドキドキしたり、汗をかいたり、顔が赤くなったりしますが、これが社会不安障害という病気なのか、性格の問題なのか、判断できずにいます。
医療機関にいくべきかどうかのポイントを教えてください。
A.誰しも緊張したり、強い精神的ストレスが加わったりすると、動悸や発汗、顔面の紅潮などが起こりやすいものです。
これだけで社会不安障害と判断することはできません。
単に緊張やストレスを感じやすい性格、あるいは動悸や発汗といった身体的反応が起こりやすい体質なのか、それとも社会不安障害という病気なのかを判別するポイントは、「日常生活(仕事、学業、家事など)に支障があるかどうか」です。
問題は、動悸や発汗などの程度ではなく、その人が感じている「支障の大きさ」です。
たとえ客観的に見て軽度でも、本人にとって非常に気になり、気になることでさらにそうした症状が出て悪循環を形成し、日常生活に支障をきたしているなら、社会不安障害と診断される可能性があります。
医療機関(精神科・心療内科など)で相談してみてください。
もう一つの判断のポイントは、緊張やそれによる動悸などが、特定の場面や相手に限って起こるのか、あるいはほとんどの社交場面(人と接する場面)や対人関係で起こるのかという点です。
前者の場合は、「非全般性(限局性)社会不安障害」といい、比較的軽症とされます。
治療の必要性が大きいのは、一般には後者の「全般性社会不安障害」です。
しかし、「非全般性社会不安障害」でも、たとえば「電車通勤の必要な会社員が、社会不安障害のために電車に乗れない、あるいは乗るのが非常に苦痛」といった場合は、治療を受けることを検討すべきでしょう。
※参考文献:人の目が怖い「社会不安障害」を治す本 三木治 細谷紀江共著