社会不安障害は、「全般性」社会不安障害と「限局性(非全般性)」社会不安障害とに分けられます。

前者は、人とかかわるほとんどの状況を恐怖する状態です。

外国の研究からは、社会不安障害で治療を求める人の8~9割が全般性の社会不安障害であることが知られています。

全般性社会不安障害の人の症状は持続しやすく、他の病気(うつ病やアルコール乱用など)と併存しやすいです。

また、社会的な機能が著しく低下するので、生活が成り立たなくなり、受診せざるをえなくなるということでしょう。

一方、「限局性(非全般性)」と呼ばれるタイプの社会不安障害もあり、たとえば「人前で話をする」などという特定の状況だけに恐怖を抱き、それ以外ではふつうにしているという特徴があります。

特定の状況以外では全くふつうなので、ちょっと見ただけではその人が社会不安障害を持っていることに気づかないと思います。

不安の対象が限定されているという点では、全般性社会不安障害の人に比べると生活の質はまだ保たれていると言えますが、特定の状況に対する恐怖が持続し苦しみをもたらすという点では変わりません。

限局性(非全般性)だから病気ではない、ということではないのです。

本サイトでは、主に全般性社会不安障害の人を念頭に置いて話を進めていきますが、もちろん限局性(非全般性)社会不安障害の人にも役立つと思います。

※参考文献:対人関係療法でなおす社交不安障害 水島広子著