病気としての登場の歴史

社会不安障害の歴史への登場

社会不安障害は無視されていた病気などとも言われますが、人前で緊張したりあがったりすることはきわめて人間的な反応とも言えます。
『トム・ソーヤーの冒険』や『ハックルベリー・フィンの冒険』で知られるアメリカの小説家マーク・トウェインは「人は赤面する唯一の動物」と述べています。
ミュージカル「オズの魔法使い」にも些細な場面で心臓が高鳴ってしまうことに悩む臆病者のライオンが登場する。

すでに旧約聖書には社交不安の悩みが記載されています。
有名なモーゼとサウルです。
現在では社会不安障害の方が、後からうつ病を発症しやすいことがよく知られていますが、社交不安に悩んだサウルも後から重いうつ病にかかっています。
社会不安障害の人が非常に苦手とする場面に曝されると緊張のあまり時にパニック発作を起こすことが知られています。
古代ギリシアの女流詩人サッフォーの詩にも、社交場面で出現したパニック発作が生き生きと描かれています。

※参考文献:社会不安障害 田島治著