初めて呼吸コントロール技法を始めた時に不安の症状を覚えると訴える人がときにあります。

このプログラムは、不安を避けるのではなく、これに立ち向かうよう求めるので、プログラムの一部として不安が高まるときがあります。

そのような折りには、特にこのようなことが起こるかもしれません。

多くの社会不安障害の患者さんは呼吸訓練をがまんして続けるうちに、呼吸コントロールに鎮静効果があることに気付きます。

呼吸コントロール技法を練習し始めた時、それを不自然に感じる社会不安障害の患者さんもいます。

それは社会不安障害の患者さんが常に速いペースで呼吸したり、呼吸が深すぎたり浅すぎたり、もしくは正しくないやり方で呼吸をしたときにのみ見られることです。

呼吸コントロール技法を練習すれば、それが自然に感じられるだけでなく、快適なものに感じられるでしょう。

呼吸にのみ焦点を当ててはいけません。
呼吸コントロール技法は、積み重ねたブロックの一部のようなもので、不安コントロールプログラムの一部にすぎません。

この技法を練習し、不安を感じたときにこの技法を使い、他の時間は忘れましょう。

※参考文献:不安障害の認知行動療法(2)社会恐怖 患者さん向けマニュアル