人間関係で心地悪く感じる時に、その状況についてよくよく考えた上で、どのように反応するかを決めるのが良いでしょう。
これは特に何度も繰り返される困難な人間関係、例えば無礼な同僚や要求の多い親類などに対応する際に適切です。
最初のステップは、その状況でのあなたの考えや感情を同定し、それが現実的かどうかをチェックする認知再構成の技法を使うことです。
例えば、他人の反応の解釈を間違えていないこと、結論に飛びついていないこと、自己関係づけしていないことを確認しましょう。
感情が生々しいからといって、それが実際に起こっていることの正確な反映とは限りません。
不安で劣等感を感じるかもしれませんが、だからといって他人に悪い印象を与えているとは限りません。
問題はあるかもしれませんが、そのことについて現実的であれば、最も効果的な処理ができるでしょう。
例えば、あなたが同僚に彼の仕事であるところの援助を求めた時に「忙しいので後にして」とあっさりと断られることもあるかもしれません。
あなたは「彼は私が嫌いだ。彼はいつも無礼だ・・・彼と働くことなど我慢できない」と思うかもしれません。
あなたは彼と言葉を交わさなくてはいけないときに不安と居心地の悪さを感じるようになり、それを先延ばしにしたり避けたりするかもしれません。
状況について現実的に考えることが必要でしょう。
●他人があなたに少しそっけなく接する時、それは彼らがあなたを嫌っているからだろうか?
他に何か説明がつかないだろうか?
●彼らはあなただけにそのように接するのか?他の人にも同じ接し方をするのを見たことはないだろうか?
●彼らはいつもそのようにしているのか、それともたまたまだろうか?
どのような状況で彼らは同じような接し方をするのだろうか?
このような可能性を検討した後ならば、仕事を辞めることなくその場を乗り切る方法を考えつくことができるでしょう!
状況の解釈が現実に即したものであることを確かめるプロセスは、問題を整理する手助けとなり、問題をより正確にとらえることが可能となることが多いのです。
この場合、問題は以下のようにまとめることができるでしょう。
「Xさんは私が助けを必要とするときにしばしば援助を拒み、しかも私から見れば攻撃的な態度をとる」この問題の解決法を見出すための次のステップは、この状況におけるお互いの権利と責任を考えることです。
例えば、上記の状況であなたは次のように考えるとよいでしょう。
私の権利 | Xさんの権利 |
私は必要な助けを求める権利がある。 私は敬意を持って応対される権利がある。 |
敬意を持って応対される権利がある。 自分のニーズと望みを伝える権利がある。 |
私の責任 | Xさんの責任 |
私の仕事を完了させる―そのためにはときにXさんの手助けが必要だ―そのためにはどうしたらいいか交渉する心構えが必要かもしれない。 | 自分の仕事をすること―それは、ときに私を手伝うことも含む |
問題に対する最善の解決方法を選ぶことができるように「構造化問題解決法」と呼ばれる技法を次に使用するとよいでしょう。
※参考文献:不安障害の認知行動療法(2)社会恐怖 患者さん向けマニュアル