Q.私は社会不安障害ではないかと思っていますが、親に、「そんなものは病気ではない」といわれ、医療機関に行くことを反対されました。
どうしたらよいでしょうか。
A.社会不安障害は、とくに日本では、病気としてまだそれほど広く認知されていないのが現状です。
そのため、家族や周囲の人が、質問にあるような反応を示すことも少なくないでしょう。
しかし、現在では、社会不安障害の診断基準が定められ、薬剤が有効というエビデンス(科学的根拠)も出てきて、世界的にも病気として認知されています。
社会不安障害が疑われる症状によって、仕事や生活上の制限・支障が大きいときには、一度は医療機関で受診していただきたいと思います。
きちんとした診断・治療を受けることは、現在の支障や苦痛の軽減・解消だけでなく、将来的に社会不安障害に合併する率が高いとされている、うつ病やアルコール依存症の予防にもつながります。
親御さんや周囲の人には、ぜひそういったことをよく説明して、社会不安障害についての理解を深めていただきたいと思います。
なお、ご自身だけで説明をしても納得してもらえない場合には、学校や職場のカウンセラーや保健師といった専門家とともに、親御さんに話してみてはいかがでしょうか。
※参考文献:人の目が怖い「社会不安障害」を治す本 三木治 細谷紀江共著