社会不安障害の人は生活のリズムを整えよう

社会不安障害の人は朝起きる時間を固定する

社会不安障害の人は不安や緊張が高まると、動悸、息苦しい、汗をかく、ふるえ、など体の症状が表れてくることがあります。
生活習慣やライフスタイルを適切に見直して、体調を整えていくと、それが社会不安障害の人達の不安や恐怖に立ち向かう基礎的な力になってきます。

そこで社会不安障害の人にとってまず大切なのは、生活リズムを整えることです。とくに、質のいい睡眠を適切な時間とるのは、大変重要なことです。

そのためには第一に、朝起きる時間を、大体でいいのでなるべく固定します。
目が覚めたらカーテンを開けて室内に日光を入れましょう。
日の光が私たちの体内時計にスイッチを入れ、覚醒を促します。
最近の研究からは、そのように光を感じてから十数時間後に眠気が出てくることもわかっています。
朝の光が、その日の夜の眠気を誘うのです。

気持ちよく眠れるようにするためには、30分以上の昼寝は避けた方がいいでしょう。
寝床に入る2~3時間前に入浴してリラックスするのもいい方法です。
寝る前のアルコール、コーヒー、タバコは避けて、眠くなってから床につくようにします。
寝室は静かで暗く、適度な室温を保つように工夫しましょう。
人間の体にはサーカディアンリズムという体内時計があり、約25時間の周期を刻んでいます。
ですから普段の暮らしでも、油断をして遅く起きると、寝付きが遅くなって、さらに起床時間が遅くなっていきます。
こうしたことを避けるためにも、社会不安障害の人はまず朝起きる時間を固定することが大切になってきます。

社会不安障害の人は「不安」があっても楽しい気持ちにはなれる

社会不安障害の人は生活のなかに、適度な運動や趣味を取り入れるのも、気持ちを前向きにしていくことにつながります。
社会不安障害の人が不安や緊張が強くなったときには、注意をそらしたり、気分転換をはかったりすることが役立ちますが、気分を変えようとあせったために、かえってまた自分の不安な気持ちにとらわれてしまうことがあります。

社会不安障害の人はそんなときには、机の上を片付けたり、ちょっと散歩に出てみたり、時間がたつのを忘れてしまうような何か好きなことをしばらくやってみたりすると、気分がリフレッシュするものです。

しばらく前にWHOが作成した質問紙を使用して調べた結果、精神活動のなかで、不安や気分の落ち込みのような「辛い気持ち」と、幸福感、充実感など「楽しい気持ち」がそれぞれに独立して動いていることが分かりました。
つまり私たち人間は、少々つらい気持ちになっているときでも、それはそれとしてそのままで、楽しい気持ちを持つことができるのです。

社会不安障害の人は不安な気持ちをなんとか打ち消そうとばかりするよりも、何か、体を動かしたり、楽しいことに取り組んだりしてみたほうが、案外うまくいくことがあるものです。
こうした方法が、社会不安障害の人が不安な気持ちに陥ったときの対処法として役立つことはよくあります。

参考文献:不安症を治す 大野裕著