<社会不安障害>がいかに重度な<社会不安>で、本人の人生にどれほど大きなダメージをもたらすか、他の記事より、よく理解していただけたことと思う。

<社会不安障害>は、わりと若いうちに発症することが多く、だいたい14~24歳くらいの間にはその症状が見られるようになる。

そしてそれは、仕事やプライベートの区別なく、本人の生活のあらゆる側面に影響を及ぼすようになる。

にもかかわらず、彼らはなかなか専門医のもとを訪れようとしない。

なぜなら、自分が病気であるということに気付かず、そこから回復するための治療法が存在するなど夢にも思っていないからだ。

これは、医師にとってどれほど残念なことか!

いっぽう<社会不安障害>は、他の<社会不安>とは異なり、自力で改善しようとしたり自然治癒にゆだねたりしても効果はほとんど期待できない。

<社会不安障害>は非常に長期にわたってしつこく続く、根が深くて慢性的な精神疾患なのである。

この病気によって、貴重な人生をだいなしにしてはならない。

みなさんも、ご自分が<社会不安障害>ではないか、下の診断シートを使って確かめてみて欲しい。

はい いいえ
特定の状況で大きな不安や怖れを感じる
その不安や怖れは、同じ状況で他の人たちが感じるよりはるかに大きいと思う
その不安や怖れのせいで、パニック発作を起こしたことがある
その不安や怖れのせいで、大切な用事や日常的な状況をしょっちゅう避ける
その不安や怖れのせいで、ひどく苦しんでいる
その不安や怖れは、自分の人生に大きなハンディキャップをもたらしている

表4-2 社会不安障害の診断シート

※参考文献:他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学
      クリストフ・アンドレ&パトリック・レジュロン著 高野優監訳