日本では長年にわたる対人恐怖症に関する臨床研究および経験の蓄積があるにもかかわらず、社会不安障害に悩む患者さんの多くが適切な医療と考え苦しんできたのが実態です。 社会不安障害は社会恐怖ともいい、主に思春期かそれ以前に発症・・・
「社会不安障害とは」の記事一覧
「社会不安障害」診断基準
国際疾病分類第10改訂版(ICD-10)は不安障害を恐怖症性不安障害と他の不安障害に大別します。 そして前者の恐怖症性不安障害をagoraphobia, social phobia, specific(isolated)・・・
社会不安障害の分類と鑑別診断
国際疾病分類第10改訂版(ICD-10)の神経症分類に慣れ親しんだ日本の臨床医にとり「社会不安障害」なる呼称は目新しく、その実態はどのようなものかはいまだ十分に認知されているとはいえません。 とくに1970年代後半から8・・・
社会不安障害のゲノム医学研究
社会不安障害は他のcommon diseasesと同様、多因子疾患であることが明確化され、その遺伝因は多数であり、単一遺伝子疾患のような原因遺伝子ではなく、発症のリスクを上げる一つの因子、すなわち発症脆弱遺伝子が存在する・・・
社会不安障害と扁桃体関連のネットワーク
社会不安障害は、社会的状況での対人接触場面における極度の緊張や強い恐怖感を特徴とし、他人からの評価を過度に気にかけ、恥かしい思いをする状況を恐れ、そのために社会との接触が障害され、人生そのものに対しても強い影響を与える精・・・
社会不安障害に対する医療費を社会で負担すべきか
社会不安障害がどのくらい重症であることが必要か 社会不安障害は重篤であり患者自身では治療がおこなえず公的医療保険を適用できる疾患であるとしましょう。 次の問題は診断と重症度の判断です。 社会不安障害の診断基準には患者本人・・・
社会不安障害の医療経済の考え方
こちらの2例を読まれて、どうお考えになったでしょうか。 症例1がいわゆる重症対人恐怖症に相当し、日常生活の障害の程度は障害年金を受けるに値するといえる一方、治療は利益を生まなかったです。 あるいは、患者さんは完全に治るこ・・・
社会不安障害の社会的コストへの影響
精神疾患の診断・治療は進歩しました。 精神疾患は生活習慣病のようにだれもがかかりうる病気であり、適切な治療を受ければよくなると考えられるようになりました。 これはとてもよいニュースです。 一方、医療費自己負担・健康保険料・・・
社会不安障害のプライマリーケアにおける有病率
社会不安障害の患者さんがはじめから専門医に相談に訪れることは少ないことです。 何らかの身体的症状を訴えて一般医を訪れます。 このようなことからプライマリーケアにおける有病率を知っておくことも重要です。 米国では何らかの精・・・
米国以外による社会不安障害研究
ECA研究と同じ診断基準(DIS)を使用し、米国とそれぞれ異なった文化・経済をもつ国々での社会不安障害の有病率を比較することは非常に興味深いです。 西洋諸国にくらべ、台湾や韓国でみられるようにアジアの国のほうが社会不安障・・・