現在、社会不安障害の治療法は、薬物療法と認知行動療法とに大別されます。 とくに近年、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の有効性が認められて以来、この障害に対する治療に関心が高まりつつあります。 一方、日本では従・・・
「社会不安障害と対人恐怖症」の記事一覧
社会不安障害の森田療法の症例
ここで、外来森田療法の実際を紹介しておきます。 症例A:19歳女性、大学生。 主訴:対人緊張、赤面、声の震えが気になる。 診断:社会不安障害(対人恐怖症・神経症レベル) 1.生活歴および経過 三人姉妹の長女。 元来神経質・・・
社会不安障害/対人恐怖症への森田療法の進め方
以下、社会不安障害/対人恐怖症に対し、とくに外来における森田療法の進め方を解説します。 1.治療適応の判断 社会不安障害/対人恐怖症に対して森田療法の適否を判断するには、元来の性格傾向の評価が相対的な指標になります。 一・・・
社会不安障害/対人恐怖症の森田療法
社会恐怖(いまでいう社会不安障害)という診断カテゴリーが1980年、精神障害の分類と診断の手引き第3班(DSM-Ⅲ)に不安障害の一型として採用されたおよそ半世紀前に、わが国の精神科医、森田正馬は対人恐怖症について記述し、・・・
対人恐怖症概念との関係をめぐって
ところで、ICD-10では回避される恐怖の対象を「自己の外部にある」明らかな状況やものと定義します。 そのために、自己に所属する状況やもの、たとえば疾病(疾病恐怖)や醜形(醜形恐怖)は身体化障害の一つ、心気障害(F45.・・・
社会不安障害の鑑別診断
社会不安障害診断の際、鑑別を要する疾患を表6に示します。 表6.社会不安障害との鑑別診断 〇社会不安障害との鑑別診断を要する疾患 ・妄想性障害 ・統合失調症 ・うつ病 大うつ病性障害 気分変調性障害 ・パニック障害 ・・・
日本での対人恐怖症と価値観
これまで、日本での対人恐怖症の受診患者のほとんどが確信型(第3群)であると報告されてきました。 これが一般人口における疫学を反映した数字かというと、異なる可能性があります。 SSRIの社会不安障害に対する臨床試験では、新・・・
社会不安障害と対人恐怖症
対人恐怖症研究の流れと好対照なのが社会不安障害である。 DSMの診断基準では、はじめは恐怖症の一亜型としての位置付けでした。 それが社会恐怖として独立し、その後、括弧つきで社会不安障害となりました。 そのことによりイメー・・・
森田正馬
対人恐怖症に関しては、社会不安障害が注目を浴びるずっと以前から、日本の先駆者達による独創的な研究が数多くなされてきました。 はじめてこの症状を本格的に記載、研究、治療したのは森田正馬です。 それまでにも報告がありますが、・・・
対人恐怖症と社会不安障害ーその概念と相互関係
欧米において社会不安障害は30年前には「無視されてきた障害」とされていました。 ところが、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の二重盲検の結果、その高い有効性がつぎつぎと報告され、様相が一転しています。 社会不安・・・