近年、コンプライアンス(compliance)という言葉にかわって、アドヒアランス(adherence)という言葉がよく聞かれるようになりました。 コンプライアンスの和訳は服薬尊守であり、それは「治療者の指示に、患者がど・・・
「社会不安障害とSSRI」の記事一覧
社会不安障害の薬剤併用による薬物間相互作用
社会不安障害をはじめとする不安障害の薬物治療は、従来、ベンゾジアゼピン系抗不安薬がその中心を担ってきました。 これは、ベンゾジアゼピン系抗不安薬の十分な抗不安効果とその効果発現の早さ、副作用の少なさなどへの高い評価により・・・
社会不安障害の治療薬剤の副作用とその対応
社会不安障害は他人の注視を浴びるかもしれない社会的状況において持続的な恐怖を感じる疾患です。 青年期に好発し、強い不安感のため学業や職業上の障害が生じる場合があります。 治療薬としてベンゾジアゼピン系抗不安薬、抗うつ薬(・・・
社会不安障害の経過観察と治療評価
社会不安障害の生涯有病率は米国の場合を例にあげると13.3%と高率に出現するにもかかわらず、実際には医療機関を受診する患者さんは少ないとされます。 人生の早期に発症し、社会不安障害と診断されることなく社会生活上さまざまな・・・
症例からみた社会不安障害の治療の実際
現在、社会不安障害の治療法は、薬物療法と認知行動療法とに大別されます。 とくに近年、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の有効性が認められて以来、この障害に対する治療に関心が高まりつつあります。 一方、日本では従・・・
社会不安障害の長期薬物療法の実際
社会不安障害は慢性に経過する可能性の高い疾患であり、その薬物療法にあたっては、必然的に長期投与になる可能性は高いです。 しかし長期投与における薬物の効果、安全性についての研究は少なく、個々の薬物ごとに体系化した見解が得ら・・・
社会不安障害のSSRIの至適用量と治療期間
近年、社会不安障害に対する薬物療法の研究は急速に進められています。 社会不安障害の発症平均年齢は15~16歳とされるが、全般性の社会不安障害(ほとんどの社会的状況において恐怖が生じる亜型)は平均11歳で発症します。 これ・・・
社会不安障害に対するSSRIの効果
社会不安障害は社会恐怖ともよばれ、1980年に精神障害の分類と診断の手引き第三版(DSM-Ⅲ)によりその診断基準がしめされて以降、欧米では多くの研究がなされるようになってきました。 その要因としては、DSM-Ⅲ以前は、ご・・・
社会不安障害の症状に応じた薬剤の選択とその基準
近年、社会不安障害(SAD)の薬物治療に関する研究は、めざましい勢いで進められてきています。 とくに選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の有効性を検証する・・・
社会不安障害の治療の選択基準と手順
社会不安障害の薬物治療アルゴリズムは、まだ日本では作成されていません。 そこで、ここでははじめに社会不安障害の薬物治療に関するエビデンスを整理したうえで、米国のDavidsonの提唱しているアルゴリズムを紹介することで、・・・