社会不安障害の生涯有病率は米国の場合を例にあげると13.3%と高率に出現するにもかかわらず、実際には医療機関を受診する患者さんは少ないとされます。 人生の早期に発症し、社会不安障害と診断されることなく社会生活上さまざまな・・・
「社会不安障害の克服の考え方」の記事一覧
症例からみた社会不安障害の治療の実際
現在、社会不安障害の治療法は、薬物療法と認知行動療法とに大別されます。 とくに近年、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の有効性が認められて以来、この障害に対する治療に関心が高まりつつあります。 一方、日本では従・・・
社会不安障害の長期薬物療法の実際
社会不安障害は慢性に経過する可能性の高い疾患であり、その薬物療法にあたっては、必然的に長期投与になる可能性は高いです。 しかし長期投与における薬物の効果、安全性についての研究は少なく、個々の薬物ごとに体系化した見解が得ら・・・
社会不安障害の森田療法の症例
ここで、外来森田療法の実際を紹介しておきます。 症例A:19歳女性、大学生。 主訴:対人緊張、赤面、声の震えが気になる。 診断:社会不安障害(対人恐怖症・神経症レベル) 1.生活歴および経過 三人姉妹の長女。 元来神経質・・・
社会不安障害/対人恐怖症への森田療法の進め方
以下、社会不安障害/対人恐怖症に対し、とくに外来における森田療法の進め方を解説します。 1.治療適応の判断 社会不安障害/対人恐怖症に対して森田療法の適否を判断するには、元来の性格傾向の評価が相対的な指標になります。 一・・・
社会不安障害の認知行動療法
社会不安障害の治療においては、欧米では薬物療法に並び精神療法として認知行動療法(cognitive-behavioral therapy:CBT)の有効性についての検討がなされてきています。 これまでの治療研究からは、認・・・
特定の人にだけ症状が出るのは社会不安障害か
Q.特定の上司に対してだけ、息苦しさや動悸、震えなどが出るのですが、これは社会不安障害ではないのでしょうか。 A.症状がでるのが限局された場面という意味では、「非全般型(限局性)社会不安障害」ともいえますが、あまりにも対・・・
社会不安障害の薬はずっと飲み続けるのか
Q.社会不安障害の薬物療法は、一度受け始めたら、ずっと薬を飲み続けなければいけませんか。 A.現在、社会不安障害に用いられている主要な薬は、 1.継続的に飲むことで症状のベースになっている「潜在不安」を軽減する「SSRI・・・
社会不安障害「声の震え」の悩みが改善
気心の知れた人を前にしたときほど社会不安障害の症状が出る Sさんには、もう20年以上続いている悩みがあります。 それは、人前で話そうとすると、声が震えてしまうということです。 震えるだけでなく、ひどいときはのどがつまった・・・
20年苦しんだ社会不安障害が軽快
[激務から解放されたとたんに症状が続出] Nさんは三十四歳のときまで、バリバリの営業マンとして、第一線で働いていました。 一カ月に100枚くらいの名刺を使うような仕事ぶりでしたが、職場のちょっとしたトラブルに巻き込まれ、・・・