社会不安障害の臨床症状評価尺度として開発されたものではないが、一般的な対人場面での社会的不安の自己記入式評価尺度としてはFear of Negative Evaluation Scale(FNE)とSocial Avoi・・・
「社会不安障害の診断」の記事一覧
社会不安障害の診断とLSASによる臨床評価
社会不安障害については、1980年に精神障害の分類と診断の手引き第三版(DSM-Ⅲ)においてその診断基準が示されて以降、欧米では多くの研究がおこなわれるようになってきています。 以前はまれな病態であるとの認識であったが、・・・
対人恐怖症概念との関係をめぐって
ところで、ICD-10では回避される恐怖の対象を「自己の外部にある」明らかな状況やものと定義します。 そのために、自己に所属する状況やもの、たとえば疾病(疾病恐怖)や醜形(醜形恐怖)は身体化障害の一つ、心気障害(F45.・・・
DSM-ⅣとICD-10の社会不安障害の診断
ICD-10とDSM-Ⅳの社会恐怖または社会不安障害の診断基準概要を表1に示します。 ICD-10診断指針 a:心理、行動、自律神経系症状は不安の一次性症状であり、妄想や強迫思考の二次性症状ではない b:不安は社会的状況・・・
「社会不安障害」診断基準
国際疾病分類第10改訂版(ICD-10)は不安障害を恐怖症性不安障害と他の不安障害に大別します。 そして前者の恐怖症性不安障害をagoraphobia, social phobia, specific(isolated)・・・
社会不安障害の鑑別診断
社会不安障害診断の際、鑑別を要する疾患を表6に示します。 表6.社会不安障害との鑑別診断 〇社会不安障害との鑑別診断を要する疾患 ・妄想性障害 ・統合失調症 ・うつ病 大うつ病性障害 気分変調性障害 ・パニック障害 ・・・
社会不安障害の分類と鑑別診断
国際疾病分類第10改訂版(ICD-10)の神経症分類に慣れ親しんだ日本の臨床医にとり「社会不安障害」なる呼称は目新しく、その実態はどのようなものかはいまだ十分に認知されているとはいえません。 とくに1970年代後半から8・・・
社会不安障害のゲノム医学研究
社会不安障害は他のcommon diseasesと同様、多因子疾患であることが明確化され、その遺伝因は多数であり、単一遺伝子疾患のような原因遺伝子ではなく、発症のリスクを上げる一つの因子、すなわち発症脆弱遺伝子が存在する・・・
米国以外による社会不安障害研究
ECA研究と同じ診断基準(DIS)を使用し、米国とそれぞれ異なった文化・経済をもつ国々での社会不安障害の有病率を比較することは非常に興味深いです。 西洋諸国にくらべ、台湾や韓国でみられるようにアジアの国のほうが社会不安障・・・
社会不安障害の定義
APAが1994年に改訂したDSM-Ⅳにおける社会恐怖(社会不安障害)の診断基準は下記のとおりです。 社会不安障害の診断基準 1.他人の注視を浴びるかもしれない社会的状況、または何らかの行為をする状況に対する顕著で持続的・・・